平成14年5月3日
小島伸幸殿講演要旨
恩師中村英人さんの前で、ときにはゼスチャーを交え、一語一語を噛みしめるように話された。アッと言うまの持ち時間でした。厚く御礼申し上げます。
1.ブラジルで指を骨折したこと
ブラジル代表との試合であった。ブラジルの選手が世界的に活躍し、ネームバリューも非常に高いことを、事前に知ることもなかったので伸び伸びとプレーすることができた。これは、日本でのテレビ放映も終わり、終了間際の2〜3分間の中の出来事であった。ゴール前に出されたパスをレナウドと競り合い、手で抑えたところを思い切りシュートされ、ボールが頭にあたり跳ね返されてタッチに出たことを覚えている。GKの本性か?アウトオブプレーになるまでは目でボールを追っていた。ボールがタッチに出たところで記憶が薄れた。試合が終わっても指の痛みが引かないので、医者に見てもらいレントゲンを取った。これを見たチームドクターから2回目だねと言われたが、最初の時の記憶はない。レナウドもJであれば、一瞬でも早く手で抑えられたボールをシュートしなかったであろうが、カナリヤ軍団の一員ともなると、自然と気構えが異なってくる。
2.W杯フランス大会のこと
W杯では、セキュリティー確保のため、ホテルの出入り口、廊下等に銃を手にした歩哨が立っており、落ち着いた気持ちにはなれなかった。自由な時間は、リヨンへ遠征に行ったとき、トレーニングを終えたあとの一時をコーチと一緒にボランティアの方の案内で釣りに同行した時ぐらいである。このときも中田選手はトローリング用のボートであるが、われわれは手漕ぎのボートであった。本当に自由になれたのは、W杯を終えパリで家族と一緒になってからである。
3.Jリーグのことここでは、湘南ベルマーレでの中田選手のエピソードを紹介して戴いた。このときから身体改造を心がけ、ボディバランスは抜群であった。目的意識をもってトレーニングに励んでいる一例として、シュート練習のことが紹介された。誰もいないゴールに向かってシュートをするときも狙ったポイントを決め、そのポイント目掛けて強く蹴るので、ボールはゴールを外れることも多かった。こんな練習を積み重ねてピンポイントを狙えるのですね!!セリエAを目指すような志の高い選手は、日々の努力を人一倍積んでいることを窺い知ることができた。
4.質疑応答
Q―1)テレビ等で見るJリーグでは、PKのとき、GKが前に出ているが、どこまで許されるのか?
A ゴールライン上は動いても何ら差し支えない。
1対1のキッカーとGKの腹の探り合いというか?読みというか?駆け引きである。外人のJリーガの場合は、考えることが略一致しているので、球筋を読み易い。(実例を舞台の上で熱演して戴いた)逆にパワフルなキックをし、蹴られたボールの行方が不明なキッカーは、意図とボールの行方がしばしば異なるので、読みきれない。(人はものをいうが、ボールはいわないで、キッカーの意図に関係なく物理的に蹴られて方へ飛んで行くものね!!)Q−2)少年チームを見ており、現在は県大会に出場するまでに強くなったが、GKになり手がいない。如何にしたらGKになりたい気持ちにさせることができるか?
A ドイツでは、身体能力の一番の選手がGKになる。GKになり手がいないなんて考えられないこと。近代サッカーでは、GKもフィールドプレーヤーの一翼を担うので、少年のときは、一般プレーヤーと同じ練習をさせ、フィールドプレーヤーとしての技術を身につけさせることが重要である。
GKとしての醍醐味は、押された試合、雨あられとシュートが打たれる中で、1対0で勝つこと、自分の活躍で勝利を収めたと実感できる試合が一番である。(監督が負けた試合でもGKの良い点を褒める、常にGKに気を配りよい点で話題に乗せる等がGK思考とする近道では?)
Q−3)今まで受けた審判の判定で、シメシメト思ったこと!コリャ-ナイワと思ったことは、どんな時ですか?
この度引退したモットラムさんには、カードをいろいろもらったが、特別な感情は持っていない。感情的しこりもなく普段通りのお付き合いができる。コリャーナイワはさておき、しめしめと思うときは自分ではレッドと思っているときにイェロ-で済み、かつ逆転で勝つようなときは思わず笑みがこぼれる。(ここは審判員を前にしているので控えめか?)
Q−4)今までに出会った選手で一番愛すべき選手は誰ですか?
A 気配りのあるストライカーである。たとえば、ボールがゴールから遠い位置にあるときに、目と目が合う選手。私がストライカーに対するポジショニングを取っているときに、ゴール前に目をやる選手の場合は、私の位置でポジションを変えるので、常にポジショニングを考えねばならないし、駆け引きの場がひとつ増えることになる。
ジーコ、ストイコビッチ、アルディレス等は常に目が合ったものである。(見ても楽しく、愛すべきプレーです!!小島さんご苦労様でした!!)